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大規模修繕工事の不適切コンサルタントについて

こんにちは。重松マンション管理士事務所の重松です。
昨年11月、マンションリフォーム技術協会(MARTA)が会報で「不適切コンサルタント問題への提言」を公表しました。
同時に、私のブログでも「マンション大規模修繕工事における談合の実態について(2)」をリリースし、不適切なコンサルタントの手口を紹介したうえで注意を喚起させていただきました。
実は、今年になってこの問題について国土交通省から、日本マンション管理士会連合会に通知がありました。
通知文のタイトルは「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について(通知)」というものですが、その内容は

  1. 現状の課題
  2. ・管理組合と利益相反の立場に立つコンサルタントの存在が指摘されている。
    ・その事例の紹介
  3. 課題解決に向けた取組みの実現
  4. ・工事の発注は利益相反等に注意すること
    ・実際の取り組み事例の紹介
  5. 相談窓口の活用
  6. ・相談窓口の紹介

という構成になっています。
具体的な内容については、通知文をご覧いただければと思いますが、内容は先般公表されたMARTAの提言や私のブログと同じです。
また、最後に記載してある相談窓口の件ですが、時間が発覚してから相談なさってもあまり意味がないと思いますので、できることなら最初から信頼できるコンサルタントに相談しながら進められたらよいと思います。
私のブログについても、多くの方から賛同や共感のご意見をいただきましたし、管理組合からのご意見やお問合せもずいぶんありました。
何点かご紹介すると、

  • 既に大規模修繕工事を実施してしまったが、今思えば完全にやられてしまったと思う。
  • 想像はしていたが、そこまで酷いとは思わなかった。今後の参考になった。
  • 悪いのは設計事務所だけでなく管理会社も同罪
  • そのうち、不適切マンション管理士も出てくるのではないか。
  • 管理組合が、見積金額の安さだけで設計事務所を選定する限り、談合はなくならない。自業自得だ。

等があります。
私自身も考えさせられるご意見もありましたが、大規模修繕工事において、当事務所が開設以来訴えてきたことがようやく理解されるようになったことは喜ばしい限りです。
これからは、談合に頼らず自社の実力と品質で勝負する工事会社が多くなってくることに期待したいと思います。

理事らに対するいやがらせ行為等が区分所有法第6条の義務違反に当たるとされた最高裁の判決について

タイトルに記載の「理事らに対するいやがらせ行為等が区分所有法第6条の義務違反行為にあたるとされた最高裁の判決」については、有名な判決として紹介されていますのでご存知の方も多いと思います。
マンション管理センター通信2012年9月号でも、この事例を紹介した記事が掲載されていますし、マンション管理士の法定講習においても、判例研究の中で取り上げられていました。
実はこのマンションは、私が顧問として2006年からお世話になっているマンションです。
話題になった判決なので、いろいろな関係書籍、セミナー材料などでも取り上げられたほか、マンション管理士同士の会話の中でもよく話題として出てくる案件でした。
最高裁の判決が出て、差し戻しの高裁判決でも管理組合の主張が認められたわけですが、ここにたどり着くまでには紆余曲折がありました。
今までは守秘義務の関係もあり書けませんでしたが、判決が確定したことや理事長他関係者の了解も得られましたので、お話しできる範囲でご紹介したいと思います。
特に、判決文は判例集には掲載されていないものもありますし、普段はなかなかお目にすることもないと思いますので、個人名を特定する固有名詞を伏せてご紹介することにします。

事件の発端

私が顧問としてお世話になったのは2006年からです。問題の方は、昔からこのマンションに居住していらっしゃった方ですが、過去にはそれほどトラブルが多い人物ではなかったようです。2007年の総会前には輪番制の役員候補者として理事会で承認され、そのまま通常総会に諮ることになっていましたが、その直後から一方的に役員への就任を拒み、意味不明の発言をする等おかしな行動をとるようになりましたので、理事会は仕方なく別の候補者に差し替えて総会に諮ることにしました。
そして総会直後から、理事長や理事に対する「誹謗中傷」が始まり、事実無根の内容を記した書面を全戸に配布したり、私の事務所にも嫌がらせの電話を頻繁にかけてきたりしました。

迷惑行為の概要

この部分は、生々しいのであまり詳細には記載できませんが、おおむね以下のとおりです。

  • 荒唐無稽な話を作り上げ、管理事務所のコピー機を使ってビラを印刷したうえで全戸に投函したり、近隣の電柱に貼ったりする。
  • 私を含む外部関係者や工事関係者の事務所に意味不明の嫌がらせ電話をかけ、このマンションとの契約を辞退するように迫る。
  • 理事長に就任した女性の自宅に頻繁に威圧する電話をかけたり、玄関扉をたたいて大声を上げるなどの行為を繰り返す。女性の理事長は、この一件からこのマンションに住むことが嫌になり引っ越しをされました。
  • 当時の役員3名に暴力行為をはたらき、刑事事件として送検される。

たまりかねた管理組合が裁判に訴えたのは2009年ですから、実に3年近くもこのような行為が続いたことになります。

臨時総会決議による裁判の申し立て

区分所有法第57条の規定による差し止めを裁判で行うには、総会の普通決議が必要となります。また、この管理組合は団地型マンションでしたが、区分所有法では、第57条は団地には準用されませんので棟の総会を開催して決議することになりました。
たまたま当時の理事長も、問題の方も同じ棟に住んでいましたので、理事長が棟の他の区分所有者のために代表となって訴訟を行う決議をしました。

1審(地裁)及び2審(高裁)での判決内容

当初管理組合は、まさか負けるとは考えてもいませんでしたし、口頭弁論もさほど多くの時間はかかりませんでした。
地裁の判決は2010年2月25日、控訴審の判決は同年7月28日でしたが、ご存じのとおり管理組合の主張が認められない結果でした。
地裁と高裁の見解はいずれも同様で、被告が迷惑行為を繰り返していることが事実であったとしても、その行為は区分所有法第6条第1項で禁止されている「建物の保存に有害な行為、建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為」には当たらないというものでした。
そして、被告の行為をやめさせるのであれば、被害を受けている各々が、差し止め請求や損害賠償をすれば済むことであるという趣旨です。判決文を読んで愕然としました。
地裁と高裁の見解は同様なのでここでは地裁の判決文をご紹介します。
個人名は削除して加工しています。

最高裁判所への上告

管理組合も、訴訟代理人弁護士も、私も判決には到底納得できませんでした。
被告の迷惑行為の数々が、区分所有法第57条に規定する共同利益背反行為に当たるかどうかについては、慎重に判断するべきと思います。
しかし、1審と2審の裁判官がいわれているとおり、「迷惑行為を受けた個人がそれなりの対応をすればよい。」と言われてみても、そのような人物に対して個人レベルで対応できるのだろうかということです。
被害を受けている人たちが、管理組合の業務を執行する理事や、それを監督する監事でなければ個人レベルで対策を講じることになると思いますが、被告は一般の区分所有者に対しては何もいやがらせ等をしていません。いやがらせ行為のターゲットはあくまでも役員と、関係する外部の業者等です。つまり、、、

  • 理事会が機能しなくなり正常な管理・運営ができなくなる。
  • 妨害を受けた工事業者の工事等が予定通りに進まなくなる。
  • 誰も役員を引き受けてもらえなくなる。
  • 工事を請けてくれる業者がいなくなる。

以上の状態では、管理組合がマンションを適正に保存することができず、マンションの管理や使用にも大きな影響を及ぼすことは明白です。
どうしてこんな当たり前のことが裁判で認められないのだろうと思いました。もしかしたら裁判官は、マンション管理のことが全く理解できていないのか、それともマンションに住んだことがないのではないか等とも思いましたが、専門家の中には、「現在ある法律を厳格に適用したら判決のような結果になるのではないか。」という意見もありました。
棟総会の決議の際に、控訴と上告の判断については理事会一任をとっていたこともあり、判決に納得できない理事会は、検討した結果、最高裁判所に上告することに決めました。
弁護士さんが力を入れて書いてくださった「上告理由書」をご覧ください。
私たちの強い思いが伝わります。

最高裁判所の判決と差し戻された高裁の判決

最高裁判所の判決は、1・2審とは違いました。
上告してしばらくたって最高裁判所から、口頭弁論を開く旨の連絡がありましたので、弁護士さんからは、「最高裁で口頭弁論が開かれる場合は、原審の判決がひっくり返る場合が多い。」と説明を受けていましたので期待はしていました。
区分所有法第57条に関する部分の判決内容は、管理組合にとって満足できるものでした。(その他の請求は棄却されていますが、管理規約の解釈や損害賠償に関することであり、ここでは割愛します。)
最高裁判所の判決文をご紹介します。5名の裁判官の全員一致です。
私も含めて、マンション管理に携わるものであれば当然の判断と思っています。
2012年3月28日には、差し戻された高等裁判所で判決が出ました。差戻高裁の判決文を見ていただければお分かりになると思いますが、内容は管理組合の主張を認める内容です。
差し戻し審では、管理組合が証拠としてい提出した被告のいやがらせ行為をすべて調査したうえで、被告のこうした行為は、区分所有法第6条第1項で禁止されている行為に該当すると判断してくれました。

まとめ

差し戻し審の判決が出た後は、被告が争わなかったのでこの判決は確定しています。
また、被告は、現在は引っ越していますので、この事件はずいぶん時間がかかりましたが解決しました。
最終的には裁判でも管理組合の主張が認められ、事件そのものは解決することになりましたが、冷静になってから考えてみると、そもそもなぜこんな事件が起こったのだろうと思います。
被告の方は、以前は多少問題はあったものの、トラブルメーカーではなかったと聞いていますし、たまたま就任した女性理事長に対して突然いやがらせ行為を連発したことなどを見ても、特定の人に対する私怨があるわけでもないようでした。
またこの方はご高齢の方ですが、人生の終わりに近くなってから、前科がつくような暴力事件を重ねていることも理解できません。
個人的には、高齢者特有の症状が影響しているのかなとも思いましたが、本当のところは分からず、不可思議な事件でした。
裁判という解決方法しかなかったのかなと思うこともありますが、問題発生当初から、理事会側と話し合う様子は全くなく、常軌を逸した行動がエスカレートするだけでしたので、ほかの解決方法はなかったと思います。また、自分も実際に被害を受けているときもありましたので、その時は何とかやめてもらいたいという気持ちが強く、積極的に裁判のお手伝いをしましたが、裁判が終わって1年以上たった今では、あの方は元気でいるのかなとふと考えてしまいます。

マンションの長期修繕計画見直しのポイント 修繕積立金の目安・周期他

今回は、マンションにとって大変重要な長期修繕計画についてご紹介させていただきます。
重松マンション管理士事務所では、自らが建物調査や診断等を行い長期修繕計画書を作成するという業務は原則としてやっていません。
きわめて戸数が少なく、専門会社や管理会社に依頼する予算が取れない場合などは例外的に受託することもありますが、当事務所の業務は専門業者が作成した長期修繕計画書の内容をチェックしたり、又は管理組合が専門業者(設計事務所や管理会社等)を選定する際の支援や、選定後の専門業者が、きちんとした長期修繕計画書を作成するようにチェックや指導をしたりすることです。

はじめに

下記の表を見てください。長期修繕計画と修繕積立金は密接な関係にありますのであえて紹介させていただきます。
これは平成23年度に国土交通省(以下「国交省」)が公表したもので、新築マンションの適正な維持管理に必要な修繕積立金の額に関する資料です。
国交省がこのデーターを公表した理由の1つは、全国のマンションを調査した結果、適正な額の修繕積立金が積み立てられていないマンションが多く、大規模修繕工事を実施する際に、管理組合が積み立てている修繕積立金だけでは工事費が調達できなかった管理組合が約25%あることが分かったからです。
新築時から適正な修繕積立金を徴収し、計画修繕を実施するために必要な資金を積み立てておくことを勧めています。

   (算出式) Y=AX(+B)
     Y:購入予定マンションの修繕積立金の額の目安
     A:専有床面積当たりの修繕積立金の額(下表) 
     X:購入予定マンションの専有床面積(㎡)
    (B:機械式駐車場がある場合の加算額)
表1 専有床面積当たりの修繕積立金の額(A)
  表1 専有床面積当たりの修繕積立金の額(A)
表2 機械式駐車場がある場合の加算額(B)
  表2 機械式駐車場がある場合の加算額(B)

出典:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」

計算式はさほど難しくありませんが、具体的事例を当てはめてみましょう。
たとえば、専有部分の平均面積が70㎡で、50戸のマンションを想定してみます。専有部分の面積は70×50=3,500㎡、共用部分の面積もほぼ同じくらいですから、建物の延べ面積は7,000㎡となります。上の表1の黄色の部分に当たります。国交省の調査結果では、毎月202円/㎡の修繕積立金が必要になります。
つまり専有面積70㎡の場合は、202円×70㎡=14,140円の修繕積立金を新築時から毎月積み立てる必要があるということです。
更に機械式駐車場のあるマンションの場合は、上記のほかに表2のとおり1パレット当たり、約6,000円~14,000円のお金が毎月、修繕積立金として必要になります。
これはあくまでも国交省が一定の条件のもとに実施した調査等により算出したもので、サンプル数もさほど多くありませんので絶対的な数字ではありません。
しかし、実際に販売されている新築マンションでは、修繕積立金の額が月額5,000円程度(㎡当たり100円未満)という例はいくらでもあります。
理由は、分譲業者が最初から適正な金額の修繕積立金を設定すると、購入希望者の購入意欲を削ぐ可能性があり、販売しにくくなるからです。
そのようなマンションを購入した場合は、あとで大幅な値上げが必要となったり、大規模修繕工事の際に各戸から一時金を徴収したりしなければならなくなります。
しかし、平成20年度に国交省が実施したマンション総合調査 においても、全国のマンションにおける修繕積立金の平均額は156円/㎡ですから、ほとんどのマンションで適正な金額の修繕積立金が徴収されていない実態がお分かりになると思います。

長期修繕計画が持つ3つの意義

長期修繕計画を作成する目的(意義)は以下の3とおりです。

1.将来見込まれる修繕工事の内容・おおよその実施時期・概算金額等を明確にしておく。

このような内容をなるべく正確に組合員に知らせておくことは当然のことでしょう。
そのために標準管理規約 では、長期修繕計画の作成や変更は総会の議決事項となっています。基本的な考えは、竣工当初の状態まで建物や設備を回復させることとなっていますが、税率を含む法律の変更、物価水準の変化、生活水準の向上等に応じて内容を変更していく必要がありますので定期的に見直すことが重要です。
国交省では、その期間をおおむね5~6年が望ましいとコメントしています。

2.修繕積立金を算出する根拠とする。

冒頭でも述べましたが、これも大変重要なことです。
適正な額の修繕積立金といっても、何を根拠に金額を設定したらよいのかが曖昧であっては、改定する際にも組合員に対して説得力がありません。
昔は「住宅金融公庫基準」というものがあって、築5年未満は月額6,000円、10年未満は7,000円、17年未満は9,000円などと言われていました。しかし、これは基準となるマンションが、旧日本住宅公団が建設した団地を対象にしていると思われます。
つまり、専有部分の面積が少ない(55㎡程度)、エレベーターや機械式駐車場がない(高額な設備更新費用がかからない。)、戸数が多い(スケールメリットがある。)、などであり、最近のマンションとは事情が大きく異なりますので、近頃はこの基準はあまり聞かれなくなりました。

3.修繕工事等の概要を総会等で合意しておくことにより、計画修繕の円滑な実施を図る。

マンションの大規模修繕工事には、数千万や億単位という多額の費用がかかります。当然に、総会の決議を経て実施することになりますが、多額の費用を支出するため、組合員の合意形成が重要となります。
理事会はこの合意形成を円滑に行うために、長い期間をかけて工事の必要性、金額の妥当性、発注先選定の経緯等を組合員に丁寧に説明していくこととなります。
その際にも、あらかじめ総会で承認を得た長期修繕計画があれば合意形成がしやすくなります。但し、注意していただきたいことは、たとえ長期修繕計画が総会で承認されたとしても、大規模修繕工事の実施、修繕積立金の改定や取り崩しには、別途総会決議が必要です。

長期修繕計画のチェックポイントと上手な使い方

それでは長期修繕計画のチェックポイントと上手な活用方法についてお話ししたいと思います。

長期修繕計画書を見る時のポイント

検討期間

長期修繕計画というくらいですから、検討する期間はあまり短くてはいけません。
国交省のコメントでは新築マンションでは30年以上、既存マンションでは25年以上となっています。しかし40年や45年では、そんな先のことまでは想定しにくいと思いますので35年くらいが限度ではないかと思います。また、長期修繕計画は一度作成したらそれで終わりではなく、前述のように定期的に見直しをしていくことが重要です。

工事項目

マンションを適正に維持・管理していくために必要な修繕項目が計上されていなければなりません。長期修繕計画書は専門の設計事務所や管理会社にお願いして作成することが多いのですが、ややもすれば設備に関する工事項目が不足している場合があります。
具体的にはポンプ類、照明機器、消防設備、通信設備等です。その理由は、設備の専門家が長期修繕計画の作成にかかわらず、建築の専門家ばかりがかかわっている場合が多いからです。また、機械式駐車場があるマンションでは、更新も含めて多額の金額がかかりますので、別途メーカーに依頼して正確な数字を落とし込むことが大切です。
長期修繕計画書を見る時には、このあたりも注意していただければと思います。

資金計画

工事項目と実施時期、及びその概算金額だけを記載した長期修繕計画を時々見ることがありますが、それだけでは不完全です。
何度も申し上げるとおり長期修繕計画と資金計画(修繕積立金)は密接な関係にありますから、今後の一定期間に必要な計画修繕の費用を賄うためには、現在の修繕積立金の徴収方法でよいかどうかは必ず検討の対象となります。
下に示すようなグラフで表記するのもわかりやすい方法です。
修繕工事費と修繕積立金(改善)

その他

長期修繕計画を作成する際の管理組合の考え方等も日ごろから議論をして整理しておくとよいと思います。
たとえば、築35年前後に実施する修繕工事は特に多額の金額が必要となる工事項目が増えてきます。具体的には、給排水管の更新、玄関扉や窓サッシの更新等です。
この場合、専有部分である横引き配管や内装工事等は、ルール通り個人負担とするのか、それとも修繕積立金を使って一斉に工事するのか、窓サッシ等についても、更新費用の負担をどのように考えるか等によっては修繕積立金の額が大きく違ってきます。

長期修繕計画書の上手な活用方法

常に組合員に広報しておく

長期修繕計画は、日常から組合員に周知しておくことが大切です。一つのアイデアとしては、たとえ変更がなくても毎年の総会の際には、総会議案書の末尾に添付して配布するなどするとよいでしょう。前述のとおり、計画修繕を実施する際や長期修繕計画を変更する際の合意形成が円滑に進むはずです。

計画修繕項目の消化状況(実施状況)を毎年確認する。

長期修繕計画の定期的な見直しは5~6年毎と申し上げましたが、毎年の総会終了後には、その期に実施した工事や逆に実施予定になっていたけれど実施しなかった工事をチェックしておくとよいと思います。
計画修繕工事は、必ずしも長期修繕計画書のとおりに実施しなければいけないということはなく、傷み具合や資金の関係等で先送りになったり、前倒しになったりすることはあり得ます。
その際には手書きでも構わないので、工事項目にチェックを入れて、実施した工事に関しては、実際に実施金額を記入する等して新しい理事会に引き継いでおくと、その後の管理がやりやすいと思います。

さいごに

いかがでしたでしょうか。平成20年度のマンション総合調査では、自分のマンションには長期修繕計画があると答えた管理組合は約9割です。
しかし、私の経験では、長期修繕計画書を有効に活用している管理組合はなかなか無いようです。
これを機会に、ご自身のマンションの長期修繕計画書を確認していただき、管理組合内の合意形成や適正な修繕積立金の設定等に活用していただければと思います。ご自分のマンションがこの先どのようになっていくのか、又どのようにしたいのかなどを考えるのも結構夢のある話で想像力が膨らんでいくと思います。

週刊ダイヤモンドの新築マンション物件ランキング(2011)

週刊ダイヤモンドから2011年度の新築マンションランキングが公表されました。
2010年の新築マンション市場はどん底を脱し、回復基調に転じたようですが、2011年度もその傾向は続くと予想されているそうです。
不動産経済研究所の調査では、首都圏の新規供給は戸数は前年比22.4%増で、平均分譲価格は4%増の4716万円となっています。
マンションによっては、モデルルームに行列ができたり、見学を申し込んでも1ヶ月待ちという物件もあるとのことです。
この状況は、地域や価格等に偏りがあるみたいで、新規の販売戸数が前年度比で上昇しているエリアは、首都圏・近畿圏・沖縄圏の3地域のみで、その他は減少しています。また、都心部で供給されるマンションの価格帯は5,000〜6,000万円台の高額物件が多いとのことです。
従来は、手ごろな価格(2,000〜3,000万円台)で供給を行っていた開発業者が市場から消えたこともあり、大手業者による寡占化も進み、高額物件が多くなっているようです。
そんな中、私が住んでいる千葉県ではいくつか気になる物件もあります。
市川市の「シャリエ市川(東レ建設)」が、75㎡で3,000万円前後の金額です。本八幡駅からはバス利用となりますが、閑静な住宅街にあることと、充実した設備が評判みたいです。
それと、私の事務所の近くの「プラウドシティ稲毛海岸」は、73㎡前後で2,400万円台の価格です。
全戸にトランクルームが付き、窓は複層ガラス、台所はディスポーザー付きとやはり設備が充実しています。
私が、千葉市の中央区のマンションを購入したのは10年以上前でしたが、現在のマンションより設備が整ってなくて4,500万円ほどかかりました。
そのときのことを考えたら、本当にうらやましい限りです。
ちなみに、重松マンション管理士事務所には、築年数10年未満の新しいマンションからのご相談も多いのですが、特に「管理会社の業務委託費(管理費)が高い」「修繕積立金の値上げに納得いかない」などという、金銭的な面でのご相談が多いです。
例えば先日事務所ホームページに掲載させていただいたお客様インタビューの事例では、10年間に2度の修繕積立金値上げが予定されていましたが、当マンション管理士事務所がサポートして管理費削減をした結果、何とか値上げ時期も値上げ幅も抑えられる見込みです。
買い替えの方なら管理費修繕積立金のことをよくご存知だと思いますが、これまでマンションに住んだことのない方はご注意いただきたいなと思いますし、既にご購入を決められた方は、早めに対応された方がよろしいかと思います。

新築マンション物件ランキング

ランキングの評価項目は昨年同様
「立地条件」、「全体計画」、「建物構造」、「専有部分の計画」でそれぞれ1点〜5点の評価で、合計点をつけています。

東京23区ベスト10

  1. パークマンション三田日向坂(麻布十番)
  2. 中野ツインマークタワー(中野)
  3. センチュリーフォレスト(渋谷)
  4. プラウド代官山(す渋谷)
  5. ザ・パークハウス大崎(大崎)
  6. ザ・タワーレジデンス大塚(大塚)
  7. ザ・ライオンズ中野坂上(中野坂上)
  8. クロスエアタワー(池尻大橋)
  9. プラウドシティ赤羽(赤羽)
  10. 桜プレイス(雑司が谷)

注)6と7及び8と9は同順位

東京市部ベスト9

  1. ザ・ライオンズ国立(国立)
  2. パークシティ国分寺(西国分寺)
  3. パークハウス吉祥寺OIKOS(三鷹)
  4. ライオンズ町田マークスフォート(町田)
  5. パークシティ武蔵野桜堤(武蔵境)
  6. プラウド調布(調布)
  7. アトレ羽村グランブリエ(羽村)
  8. 府中テラス緑町(府中)
  9. 府中テラス八幡町(府中)

注)7〜9は同順位

神奈川県ベスト10

  1. エクラスタワー(武蔵小杉)
  2. グランツオーベル逗子海岸(新逗子)
  3. ブランズ青葉台二丁目(青葉台)
  4. 青葉台コートテラス(青葉台)
  5. アリュール日吉本町レジデンス(日吉本町)
  6. アリュール横濱星川(星川)
  7. オーシャンステイツ湘南平塚グランフィールド(平塚)
  8. イニシア横濱蒔田駅前(蒔田)
  9. シティテラス横浜づづきの丘(鴨居)
  10. シティハウス多摩川テラス(新丸子)

注)1と2、4〜6、9と10は同順位

埼玉ベスト8

  1. ザ・ライオンズ三郷中央(三郷中央)
  2. グランシンフォニア(戸田公園)
  3. シティタワーさいたま新都心(北与野)
  4. プラウド武蔵浦和ディアージュ(武蔵浦和)
  5. 志木の杜レジデンス(志木)
  6. プラウド武蔵浦和プリアージュ(武蔵浦和)
  7. イニシア大宮宮原サザンフォート(土呂)
  8. サンクタス春日部(春日部)

注)2と3、5と6、7と8は同順位

千葉ベスト5

  1. シティテラスおおたかの森ステーションコート(流山おおたかの森)
  2. サンクタス千葉ニュータウン中央(千葉ニュータウン中央)
  3. グランスイートブルー(千葉みなと)
  4. プラウドシティ稲毛海岸(稲毛海岸)
  5. ライオンズ稲毛レジデンス(京成稲毛)

注)1と2及び3と4は同順位

関連業務と事例インタビュー

週刊ダイヤモンドの中古マンション物件ランキング(2011)

今年の週刊ダイヤモンドの中古マンションランキングは昨年と違う評価方法でランキングを発表しています。
昨年は乖離率を採用し、近隣の新築マンションの相場と比較してどの程度値下がりしているかという基準で決めていましたが、今年は「マル得ランキング」として、近隣の新築マンションよりどの程度安いかを評価した「新築乖離率」を採用しています。
昨年は、資産価値をどの程度維持しているかという評価のようでしたが、今年はお得な割安マンションという面で評価しています。
首都圏における中古マンションの取引件数も増加しており、その理由は、最盛期に比べると新築マンションの供給が減り、「代替品」として築浅マンションを探す傾向にあるようです。
しかし、今年は新築物件の供給が増えだしたので、逆に中古マンションの価格もやや下がり、購入しやすい状況らしいです。
ところで、記事には「失敗しない中古マンションの選び方」が紹介されていましたが、一番のポイントは、予算と目的をはっきりさせることだそうです。
つまり、設備が充実している築浅マンションにするのか、築年数が経って安い物件を購入し、自分の好みにあったリフォームをして使用するのかなどを明確にしておくべきとのことです。
私も同感です。
最近のリフォーム技術はとても優れているので躯体さえしっかりしていればかなり自由にリフォームできます。
駅の近くで、希望の広さがあり、価格も割安な物件は真剣に探せば見つかりそうな気がしています。
それでは、首都圏の2011年「マル得」中古マンション物件ランキングをご紹介します。

「マル得」中古マンション物件ランキングベスト20

  1. ミックスガーデンウィズ柏の葉(柏)
  2. ベイクレストタワー(品川)
  3. ウィズ松戸陽だまりの丘(松戸)
  4. クレストフォルム日吉レインボーズヒル(日吉)
  5. ローレルスクエア港南台(港南台)
  6. サクラディア(浦和)
  7. クレストグランディオ横浜(川崎)
  8. コスモデュオスケア(尾久)
  9. フェアヒルズ南大沢
  10. グランシティレイディアントアクアヴィータ(八王子)
  11. ジュエルガーデン(南柏)
  12. マークスプリングスメゾンA(南町田)
  13. ライオンズガーデン船橋夏見台(船橋)
  14. サンクレイドル橋本(南橋本)
  15. 久我山ガーデンヒルズ(久我山)
  16. リーデンススクエア相模原(相模原)
  17. クレッセントユーバリノスの丘(鶴見)
  18. ライオンズガーデン成増ヴィスタヒル(地下鉄成増)
  19. パークウエスト東京(田無)
  20. エフ・エニバース府中の杜(府中)

関連業務と事例インタビュー

マンション管理会社による不祥事(使い込み事件)があとを絶ちません。

マンション管理会社が、管理組合の管理費等を預かる場合の「分別管理」を強化する目的で、改正マンション管理適正化法(施行規則の改正)が5月1日から施行されました。
しかし、残念なことに施行を前に大手マンション管理会社による使い込み事件が相次いでいます。
最大手D社グループの沖縄支店、大手N社の北九州支店、財閥系M社、I社、S社そして最近は電鉄系大手のT社と後を絶ちません。
その全ては会社ぐるみで行われたものではなく、「担当者レベル」での事件です。
又、最近では預金口座を通じたお金ではなく、しばらくの間現金として管理事務室で取り扱う「窓口現金」を狙うなど手口は悪質化且つ巧妙化しています。
各社のコメントは、損害は全て弁償したうえで、「担当者レベル」を強調していますが、自社の管理体制に問題があることは否めず他人事では済ませない問題となっています。
このような事件が発生すると、管理組合は管理会社変更などを検討して対処しています。
マンション管理適正化法の改正によりこのような事件が少なくなるかどうかは分かりませんが、管理組合側も自分たちの大切な財産を守るためには自覚が必要となります。
重松マンション管理士事務所が顧問としてお世話になっている管理組合においては多くの場合、以下のチェックを実施しています。

  • マンション管理会社から提出される毎月の月次管理報告書(5月からは、月末で締めて翌月末までには提出する義務が法定化される。)の内容にきちんと目を通す。
  • 更に、預金通帳のコピーを提出させ、残高のチェックやおかしな資金の動きがないか等のチェックを行う。
  • 予算の執行状況をチェックし、異常な支出がないか確認する。

以上を行っていれば、大抵の不正はチェックできるはずであり、又管理組合が毎月チェックしていること自体が管理会社に対する牽制になります。
専門的知識に乏しい組合員で構成されるマンション管理組合の運営は、マンション管理会社無しではなかなか難しい面があります。
しかし、管理組合の大切な財産を預かって、業務を行う管理会社にそれなりの自覚があるのか疑わしく感じる事件が多いことについては、マンション管理の世界で生きている人間としてはとても残念に思います。
財産の分別管理に関する限りでは、マンション管理適正化法の改正により、管理会社の業務はますます煩雑化することになります。
これからは、マンション管理組合と管理会社の間で「緊張感のある信頼関係」を築きあげることができるマンション管理会社だけが生き残っていくのではないかと思う毎日です。
<補足>
重松マンション管理士事務所では、安易な「管理会社変更」や「自主管理への移行」はお勧めしておりません。
当マンション管理士事務所の考え方は一貫しており変わっておりませんが、詳しく知りたい方は、下記業務案内ページや、講演レポートなどをご覧頂ければ幸いです。

参考情報

週刊ダイヤモンドの中古マンション物件ランキング

一般的に中古マンションは、新築よりも割安な金額で取引されるのが常識となっています。
ですから中古マンションを購入しようとする時は時間をかけて「掘り出し物」を必死で探します。
ところが、立地条件次第では、新築時の価格や周辺の新築物件の相場よりも高い金額で取引されている物件があります。
以前は、そのようなマンションは東京の一等地にあるマンションに限られていましたが、今年の週刊ダイヤモンドの調査によるとランキングの第一位は新浦安の「エアレジデンス新浦安」が獲得しています。
その評価方法は、乖離率(%)です。
乖離率(%)=(09年の流通平均坪単価-周辺新築相場坪単価)÷周辺新築相場坪単価×100
新築のときにこのような物件をたまたま購入した人は、今になって「良かった!」と思っていらっしゃるでしょうね。
私の地元の千葉県では、やはり新浦安や海浜幕張方面の中古物件が高いようです。

中古マンション物件ランキング

首都圏ベスト20

  1. エアレジデンス新浦安
  2. 元麻布ヒルズ
  3. センチュリーパークタワー
  4. グランドメゾン恵比寿の杜
  5. パークハウス麻布霞町
  6. コルティーレ山手町
  7. 幕張ベイタウンセントラルパーク・ウエスト Seatower
  8. グランブリエ横濱山下公園
  9. ニューシティ東戸塚BeTOWER
  10. 神宮前五丁目ブランシェ
  11. M.M.TOWERS
  12. フォレセーヌ御殿山
  13. 西武小手指ハイツS棟
  14. 幕張ベイタウンセントラルパーク・イースト幕張パークタワー
  15. D’グランフォート横浜 Crusing Tower
  16. プライマリーナ山下公園グレーシアタワー
  17. Wコンフォートタワーズ
  18. グランタワー調布国領ル・パサージュ
  19. エクステ山下公園クレイドルタワー
  20. ライオンズシティ田無

関連業務と事例インタビュー

週刊ダイヤモンドの新築マンション物件ランキング

週刊ダイヤモンドから2010年度の新築マンションのランキングが発表されました。
今のところマンションの新築時からマンション管理士が関与することはまずありませんので、私は毎年ランキングをただ眺めているだけですが、それでも築数年の管理組合からの管理費削減管理会社変更の問い合わせはありますし、千葉県関連はやはり気になります。
リーマンショックの前後から中堅のマンションデベロッパーが相次いで破綻したりして「マンション冬の時代」を迎えたといわれましたが、どうやら市場は回復しているようです。
最近の新築マンションの傾向は、「高級感」、「利便性」ということで、スーバーマーケット併設型やクリニックモール付きなどのマンションが人気になっています。
そういえば、私がお世話になっている新浦安のハイグレードマンションには、ゲストルーム、フィットネススタジオ、サウナ&スパ、コンシェルジェサ―ビス、工房室などの設備が整っています。
でも、最初は人気で予約が取れないくらい活用されていても、そのうちに居住者が飽きて利用率が下がると、維持費の方が高くついて大変みたいです。
新築マンションを購入する時には、最初の見た目や人気だけではうまくいかないことも多いので良く考えてから購入した方がいいですね。
たとえば、管理費や修繕積立金の額、管理規約、長期修繕計画など。。。

新築マンション物件ランキング

評価内容は、以下の通りです。

  • 立地
    1. 駅からの距離
    2. 騒音・異臭
    3. 都心へのアクセス
    4. 生活のしやすさ
    5. 居住環境
    6. 価格の割安感
  • 全体計画
    1. 配棟計画
    2. 駐車場
    3. セキュリティ
    4. 外観
    5. 全体計画での工夫
  • 建物構造
    1. 耐久性・耐震性
    2. 将来の更新性
    3. 構造・設計の工夫
  • 専有部分の計画
    1. 間取りが工夫されている
    2. モデルルームのワクワク感
    3. 標準設備・標準内装のレベル
    4. 個性的な間取りが多いか
    5. 専有部分の工夫
    6. 住んで満足できそうか

東京23区ベスト10

  1. プラウド元麻布
  2. パークマンション代官山
  3. クラッシィハウス尾山台
  4. 麻布台パークハウス
  5. ハイレーゼ三軒茶屋
  6. プラウド新宿御苑エンパイア
  7. パークコート神楽坂
  8. パークハウス一番町
  9. パークハウス瀬田一丁目
  10. プラウドシティ池袋本町

東京市部

  1. クラッシィハウス三鷹
  2. クレヴィア京王堀之内パークナードII
  3. ザ・ライオンズ武蔵国分寺公園
  4. Brillia city ひばりが丘
  5. オーベルグランディオ東大和
  6. クレヴィア若葉台パークナード
  7. 吉祥寺レジデンシア
  8. サザンスカイタワーレジデンス

神奈川ベスト10

  1. パークホームズ横濱松ヶ丘
  2. ザ・ライオンズたまプラーザ美しが丘
  3. THE CENTER HOUSE
  4. ブランズシティ港南台うぐいすの杜
  5. プラウド宮崎台
  6. プラウドシティ上岡山
  7. Brillia武蔵小杉
  8. BELISTA藤沢
  9. ライオンズタワー相模原
  10. BELISTA仲町台

埼玉ベスト10

  1. ブランシエラ浦和
  2. シティタワー蕨
  3. ザ・ライオンズ大宮ウェリスレジデンス
  4. Brillia越谷レイクタウン
  5. ブランシエラ川口青木町公園

千葉ベスト10

  1. 検見川浜レジデンス
  2. プラウド新浦安パームコート
  3. フェルモ新鎌ヶ谷
  4. 幕張アクアテラス
  5. 幕張ベイタウンパティオス19番街
  6. ユトリシア プラザレジデンス「弐番街」
  7. オーベルグランディオおおたかの森
  8. ブランズ幕張
  9. パークハウス 木々 津田沼前原

関連業務と事例インタビュー

仮設足場に関する労働安全衛生規則が改正されました。

マンションの大規模修繕工事を実施する場合に、全体の工事価格の面で割と大きなウエイトを占める工事に仮設工事があります。
一般的には、現場事務所、資材置き場、トイレ・洗面所などの「共通仮設費」と、足場に代表される「直接仮設費」がありますが、労働安全衛生規則が改正になり、今年の6月1日から足場等の架設に関する規定が強化されるとのことです。
改正される理由は、高所からの墜落・転落による労働災害が多発しているためです。
概要としては、従来の「手摺(75cm以上)」のほかに、「中さん等」を設ける必要があります。
このことは、現在私が担当している大規模修繕工事の予算にも大きく影響してきます。
重松マンション管理士事務所では、顧問契約している物件のうち、2件で大規模修繕工事コンサルティングを行っています。どちらも設計監理方式によりをスタートさせ、いずれも総工事費が1億件を超える大型物件です。
概算予算を設定したのは1年以上前なので、足場の予算も当時の価格(@1,000円/㎡)で計上していました。
ですからここに来て、足場の予算の見直しをする必要がありますが、業者に聞いても具体的な価格がまだつかめていません。
とりあえず余裕を見て@1,500円/㎡にしましたが、実際にどの程度であがるかは正式見積を採ってからでないとはっきりしないのでやや不安です。
また、今年の秋に工事予定の私の自宅マンションも同様のことが言えます。
皆様方のマンションが6月1日以降に足場を架ける大規模修繕工事を予定されている場合は、注意が必要となりますね。
労働安全衛生規則の足場に関する国交省の案内はこちら(PDF)をご参照ください。

大規模修繕工事コンサルティング」に関する詳しい内容や当事務所の考え方などは、私のマンション管理士事務所 ホームページや特別ページをご覧下さい。

アーバンコーポレイション・丸美が倒産〜修繕積立金の運用は大丈夫?

アーバンコーポレイションが倒産しました(子会社のアーバンコミュニティは大丈夫のようです)。
また、九州の大手管理会社「丸美」も倒産し、同社の社債を購入していた管理組合は多額の被害をこうむることになりそうです。
修繕積立金の運用は、「マンション標準管理規約」によると総会の議決事項となっています。
どうして元本が保証されていない社債などを総会決議で購入したのかは不明ですが、管理会社に言われるままに理事会が進めてしまったのではないかと思います。
私も一応ファイナンシャルプランナーの資格を持っていますので、修繕積立金の運用について相談を受けることがありますが、元本が絶対安全であることが第1条件になります。
利息は低いですが、定期預金(大口定期を含む)を数行に分けて預金したり、住宅金融支援機構の「すまい・る債」を毎年購入したり、国債を満期まで保有することを前提に購入したりするくらいです。
積立型損害保険や社債を購入することを相談されたら、その会社の経営状況をまず調べることをお勧めしています。
私はスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)での格付けがBBB以上が絶対条件と申し上げていますが、それでも不安は隠せません。
原則として社債はお勧めしていませんが、購入する場合は格付けがA以上が条件でしょうか?
また、修繕積立金の運用となりますので、長期修繕計画に基づいた運用期間を明確にして購入する必要があります。
これをいい加減に考えて購入すると、商品の中途解約が発生し、商品によっては元本割れする場合もあります。

追記(2008.9.8)

マンションライフ by N.Hさんもこの件に関して

 特に、「丸美」は修繕積立金で自社発行のファンドを買わせており、多くの管理組合の修繕積立金が泡と消えたという深刻な事態です。任せきりの代償はあまりに大きいと言えます。
 これを、「たいへんだ」で済まさず、どう今後に生かしていくかを考えなければ!

と書かれていましたが、当事者となった管理組合以外でも、当事者意識を持ってこの件から学び、改めてこの問題を考えてみてはいかがでしょうか。

なお、「管理会社変更」「長期修繕計画作成コンサルティング・支援」に関する詳しい業務内容や当事務所の考え方などは、私のマンション管理士事務所 ホームページをご覧下さい。