機械式駐車場に関する勉強会を開催しました。
今年も、「プロナーズ」恒例の夏季継続研修の時期がやってきました。今回のテーマは、機械式駐車場です。
実は、私たちマンション管理士にとって結構難しい問題の一つに機械式駐車場があります。
メンテナンスや修理にかかる費用の妥当性の検証、各種部品を含む耐用年数の問題、機械式駐車場の業界事情、独立系といわれているメンテナンス業者の是非など、どれを取ってみても簡単に答えにくい問題です。
その理由については、あくまで私見ですが、業界が寡占化していることと、エレベーターのように大規模な市場ではないこと、市場での歴史が比較的新しくデーター量が乏しいこと等ではないかと思っています。
当日は、千葉県佐倉市に本社のある株式会社アプラスの橋爪社長をゲストにお招きし、お話しできる範囲のことをいろいろとお聞かせいただきました。
研修会の後の、暑気払いも含めてご紹介いたします。
レジュメに基づき当日の講演内容をまとめてみました。
機械式駐車場の種類と歴史について
- 機械式駐車場には大きく分けて2種類あり、一つは「ピット昇降式(単純上下)」でもう一つは「横行昇降式(いわゆるパズル型)」
- マンション用の機械式駐車場は全国で約180万台ある。
- 日本で初めて機械式駐車場(タワー式)が導入されたのは、1961年の銀座高島屋
機械式駐車場の主なメーカー
- IHI扶桑エンジニアリング(IHIと扶桑エンジニアリングが合併)
- 東京パーキング(東急パーキングと新明和工業が合併)
- ニッパツ
- 豊国パーキングシステムズ
- アプラス
- 日栄インデックス
- サノヤス・ヒシノ・明昌
- その他…
そして業界団体としては、社団法人立体駐車場工業会があります。
工業会の役割はいろいろあるみたいですが、機械式駐車場の技術的基準を定めており、各メーカーもその基準を基に製造しているようです。
機械式駐車場の長期修繕計画と各部品の耐用年数
これに関しては、メーカーが作成した長期修繕(整備)計画書が参考になると思います。
当日も、アプラス独自の長期修繕計画書のサンプルを基に説明してくださいました。
大きく分類すると駆動部分と電気制御関連に分けられます。
駆動部品で代表的なものは、昇降用の減速機(モーター等)とチェーンですが、モーター等の耐用年数は約10年、チェーンの場合は用途によって8年~15年程度のようです。
私も他の機械式駐車場メーカーの長期修繕計画書を拝見したことがありますが、耐用年数はメーカーによっても考え方が違うようです。
機械式駐車設備業界の実情
不況が長引き、マンションの新規建設が少なくなっているので機械式駐車装置の新規建設数はピーク時の20~30%にまで落ち込んでいるそうです。
そのため、当然に価格競争が厳しくなり経営状況も悪化し、メーカーの淘汰が始まっているとのことでした。
現実に大手のメーカーが撤退したり、大手の会社同士が合併したりして生き残りをかけています。特に大型の設備投資をした大手メーカーの方が厳しい経営状況になり苦しんでいるとのことでした。
私たちは、機械式駐車場は金食い虫であって、立駐機のメーカーは結構おいしい商売をしていると思っていましたが、いろいろ聞いてみるとそうでもないようです。
独立系保守業者に対する考え方
独立系の業者が機械式駐車場のメンテナンスを行うこと自体は特に悪いことではないと思います。
しかし、以下のような問題点を含んでいることを十分に注意する必要があるとのことでした。
- メーカーは、自社が製造販売した台数は当然につかんでいるが、前述のような厳しい環境下にあるので、保守部品等の在庫に関しては、販売台数に応じた数ではなく、保守契約をしている台数に応じて在庫している。そのため、独立系の業者から部品の供給依頼があった場合は、原則として受注生産となるため、納期に時間がかかる。
- 保守料金の安さばかりを追求するがあまり、点検の内容が粗雑になり、部品交換の時期などが早まり結局は高いものにつく。(きちんとした点検の目安は、技術員2名の場合で、40~50パレット/日だそうです。)
- 機械に関する故障原因を独立系保守業者から問い合わせされても、日常の保守方法や故障履歴が分からないので適切な回答ができない。
- 重大事故(例えば車両の落下)が発生したとしても、瑕疵が製造にあるのか保守にあるのか分からない場合は、お互いが責任から逃げるようになって、結局は利用者や管理組合が困ることになる。
重松マンション管理士事務所として最近思うこと
私がマンション管理士になったころの機械式駐車場のメンテナンス費用は、メーカー系の場合で@6,000~8,000円/パレット・回が相場で大変高いと感じていました。
ですから、当時エレベーターのメンテナンス費用で話題となっていた「独立系」の保守業者が、機械式駐車場の業界にもいることを知って最初は結構依頼しました。
理由は、エレベーターの方では独立系の業者でもトラブル等の事例はあまり聞いていなかったことや、保守価格がメーカー系の半分くらいの価格だったからです。
しかし、当時保守会社を独立系に変更したマンションで、部品の調達に時間がかかったり、高い部品価格を請求されたりして困っているマンションもあります。
また、最近はメーカー系の会社も保守費はかなり安くなっています。
車両が約2トン、パレットが0.5トン、合計で2.5トンの重量のものを毎秒2~3メートルで動かす機械です。安全性を考慮した場合は、まずはメーカー系の保守会社と十分に交渉して進めていった方が最終的には安くつくかもしれないと思うようになりました。
当日の様子
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|ピット昇降式の機械式駐車場
私のマンションの駐車場です。|こちらが横行昇降式のパズル型
全部で8台分のパレットが9個のスペースを上下左右に移動します。
こちらも私のマンションの駐車場です。|
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|当日使用したレジュメ|アプラスの橋爪社長です。
業界の裏事情等、お話しいただける範囲で話していただきました。|
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|当日の出席者は「プロナーズ」の認定者約40名
普段は、なかなか聞けない情報が多かったのでみんな真剣に聞いていました。|こちらは、機械式駐車場のフルメンテナンスのパンフレット
エレベーターのフルメンテと同じシステムです。
契約期間が10年間という制約がありますが、新築かそれに近いマンションでは、かかる費用が読めて管理しやすいかもしれません。|
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|こちらは、メーカーが作成した長期修繕(整備)計画
形式によって金額の差がありますが、一番かかるタイプの生涯コストは300万円/パレットが目安のようです。|勉強会が終了したら、またいつものように「ノミニケーション」
親泊さんも川原さんもつかの間の息抜きです。|
マンションコミュニティ研究会のフォーラムで廣田信子さんと対談をしました。
財団法人マンション管理センター主席研究員の廣田信子さんが6月でセンターを退社されました。
私と彼女の出会いは、当時千葉県マンション管理士会の磯野会長の紹介でお会いしたことがきっかけです。
そのおかげで、私も2年近くマンション管理センターに出向していろいろといい経験をさせていただきました。
退社後もセンターのお手伝いは続けられると聞いていますが、今後は以前からの夢であったマンションにおける良好なコミュニティ形成のためにご尽力される予定です。
現在のお立場はマンションコミュニティ研究会の代表です。
メインオフィスは浦安に置いていらっしゃいますが、書類作成や印刷等の作業を主に行うバックオフィスは、実は重松マンション管理士事務所の一角に設置してます。
先日、日比谷のコンベンションホールで第5回のフォーラムを開催されましたが、その第2部でパネルトークに出演してきました。
司会は当然廣田さんで、話し手は、私とマンション管理員検定協会理事長の日下部理絵さんです。
100名以上の人たちの前で話すのでかなり緊張しましたし、打合せなしのぶっつけ本番だったので思っていることをじょうずに話すことができませんでしたが、廣田さんのリードのおかげで何とか無事に終了しました。
当日の様子
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|左から、廣田信子さん、私、日下部理絵さん
この日のパネルトークのテーマは「行動することで道は開ける」です。
自分のことを話すということはかなり恥ずかしいうえに、更に「成功者」という位置づけでした。
私は、自分が先駆者のひとりであるとは思っていますが、成功者だとはまったく思っておらず、今は単なる通過点でしかないと思っています。
隣に座っていらっしゃる日下部さんもたぶん私と同じ気持ちだと思います。
パネルトークの構成は「廣田さんとの出会い」、「マンション管理士になろうとしたきっかけ」、「現在までの活動状況」、「どのような気持ちで現在まで活動を続けてきたか」などを「徹子の部屋」のイメージでつづけました。|
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|この日の会場には、千葉県マンション管理士会と首都圏マンション管理士会から多数のマンション管理士さんが参加されていました。
殆どの方が、私よりも先輩なので話しにくかったです。
私が自信を持って言えることは、自分はこの先、マンション管理士を職業としてどんなつらいことがあっても絶対にあきらめないで真剣に向き合って行くつもりがあることです。
この考えを続けて頑張る限り必ず道は開けると思っています。|