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福岡県マンション管理士会で創立10周年の記念講演をしてきました。

マンション管理適正化法の施行とともに、全国にマンション管理士会が誕生し、精力的に活動を続けてきました。法律が施行されて今年で10年になりますので、多くのマンション管理士会が10周年を迎えることになります。
この度、福岡県マンション管理士会に所属する藤野雅子さんの依頼をうけて、福岡で創立10周年の記念講演の講師をさせていただきました。
講演のテーマは、「苦節10年!これからのマンション管理士に求められるものとは」で、副題は「マンション管理士を業として考えた場合」です。
マンション管理士を対象とした講演なので、開業や業務受託、更にはプロのマンション管理士としての心得等に関してのテーマになりました。
私がサラリーマンを早めに卒業してマンション管理士を業として生きていこうと考えていたときに、当時の多くの先輩(1期生)からは、「この商売は大変だぞ。」とか「最低でも10年は食えないぞ!」とか言われることが多かったことを覚えています。私自身はそのようなことは全く考えなかったのですが、実際には多くのマンション管理士さんが、いまだに生業としてはやっていらっしゃらないことも事実です。
今回の私の講演では、重松マンション管理士事務所の自己紹介の後に、「プロのマンション管理士とはどのようなものか」、「マンション管理士会に対する大きな期待と大きな誤解」、「プロのマンション管理士を目指す場合の心得」の3つの柱で話をさせていただきました。
多くの人生の先輩たちを前に話をするのは大変緊張しましたが、私の申し上げたいことは何とかご理解いただけたようです。
講演会終了後は、近くの居酒屋さんで懇親会もしていただき楽しい一時を過ごしました。

当日のレジュメの概要

当日使用したレジュメの概要です。

  1. はじめに
    • 10年は食えないといわれたが、それなら11年目からは食えるのか?
  2. プロのマンション管理士とはどういうものか
    • 泣くほど辛い思いをして、勉強をしているか。
    • 管理組合に対して、外部専門家活用の有用性をきちんと説明できるか。
    • 報酬を頂いて、一定の期間内に問題を解決するか、又は方向性を示すことができるか。
    • 管理組合内の実力者に惑わされずに常にニュートラルな対応をすることができるか。
    • 管理組合(理事長)と信頼関係がなくなったら、いつでも契約を解除する勇気があるか。
  3. マンション管理士会への大きな期待と大きな誤解
    • マンション管理士だったら誰でも入会できる組織
    • 優秀なマンション管理士で構成されているとは限らない。
    • 業務をあっせんしたり受託するための団体ではない。
    • 普及活動に徹するべきである。
    • NPOや管理組合団体と同じレベルでの活動はやめよう
  4. プロのマンション管理士を目指すならこれだけは気を付けよう
    • 安売りはしないこと
    • 自分のマンションにマンション管理士としてかかわらないこと
    • 相手の話はきちんと受け止めたうえで、争点の落としどころをみつけること
    • こんな人はマンション管理士には絶対向かない。
  5. さいごに
    • 管理組合から、「自分たちのために本当に真剣に対応してくれているな。」と感じてもらえるためには。。。

当日の様子

|1209fukuokaseminar-1.JPG|福岡市は、私が幼稚園から高校までを過ごした街で、今でも大好きな街です。
現在は、仲の良かった同級生のほとんどが関東にいますし、先祖のお墓も福岡から京都に移したので、福岡に戻ることはほとんどありません。
この日も、約10年ぶりの福岡訪問でしたが大変懐かしかったです。
福岡県マンション管理士会の会員約30名の方が集まってくださいました。|
|1209fukuokaseminar-2.JPG|講演終了後は、懇親会
多くの会員の方と久しぶりの「博多弁」で楽しい時間を過ごしました。
実は、この後さらに二次会で一杯飲んで、最後は藤野さんと屋台に行き、博多ラーメンをごちそうになりました。|

玄関扉の耐震性のテストを見学しました。

最近のマンションの玄関扉は、耐震性も高く、震度6強程度の地震が来ても扉が空かずに閉じ込められるという可能性は低くなるように設計されています。
しかし、昭和時代や平成の初期に分譲されたマンションの玄関扉は、丁番その他が耐震性能を持っていない場合も多く、大地震が来た場合は閉じ込められてしまう可能性があります。
築30年を超えたマンションでは、大規模修繕工事を行う際に玄関扉も更新するケースが増えていますが、今回は大きなコストをかけずに最低限の耐震性を確保する方法を見学してきました。

特殊テープを貼る方法

玄関扉に特殊テープを貼ることにより、地震により扉が一定の変形を起こしても脱出できる方法です。
顧問先の管理組合と管理委託契約を締結している管理会社が取り扱っており、デモンストレーションに立ち会いました。
|2012080418290000.jpg|当日は、デモ専用の車両を現地に持ち込んでテストを行いました。
左右両開きのテスト用扉です。|
|2012080418320000.jpg|耐震テープを貼っているところです。
テープの商品名は「アケルくん」です。
テープを貼る箇所は、玄関扉の小口の部分です。|
|2012080418310000.jpg|扉の小口の天端と側面にテープを貼っています。(黒く見えている部分)
あまり強そうには見えませんが、意外としっかりしており、少ない力で簡単に空きました。
これならば女性でもなんとか脱出できそうです。また、施錠している鍵の開錠も可能でした。|
|akerukun.jpg|
|原理は極めて簡単です。飛行機の翼と同じ形状のテープを貼ることにより、非常時でも開放に必要なスペースを確保するというものです。
全戸一斉に工事を実施した場合で、費用は戸当たり約3万円です。|

耐震丁番

これは別の現場です。こちらの管理組合は、大規模修繕工事の準備中で、今回の工事で玄関扉を更新する計画があります。
そこで、玄関扉のメーカーの方に来ていただき、やはりデモンストレーション用の扉を使ってテストをしました。
丁番を耐震丁番に変更するだけならば、3万円/枚前後の金額だと思いますが、鍵をかけている場合に、開錠が可能かどうかを確認する必要がありそうです。
耐震丁番の効果で、扉の大きな変形は免れても、鍵が開けられない場合は脱出できません。
|1208door-1.JPG|1208door-2.JPG|
|テスト用の玄関扉
左側のハンドルで力をかけて変形させる仕組みです。|実際に力を加えて、震度6強を想定します。
この後の開放テストでも簡単に空けることができました。|
|1208door-3.JPG|1208door-4.JPG|
|地震になったら、こんな風に変形するんですよ~|各種サンプルも展示していましたので、関心のある居住者がたくさん集まりました。|

機械式駐車場の人身事故後の行政と業界の対応について

ご存知の方も多いと思いますが、今年の4月2日と7月23日に機械式駐車場で子供が死亡するという痛ましい事故が発生しました。
4月2日は、大阪府茨木市で子供がパレットと梁の間に挟まれて死亡した事件です。また7月23日は、花巻市でやはり子供がタワー式の駐車場の機械に挟まれて死亡しました。
消費者庁と国土交通省が把握している情報によると、平成19年以降で一般利用者が死亡・負傷した事故は全部で31件(うち子供は5件)で、このうち死亡事故は5件(うち子供は3件)だそうです。
報道で大きく取り上げられたのは、大阪の子供の死亡事故でしたので、私などは、それまではほとんど事故は発生していなかったのかと思っていましたが結構発生しているのですね。
事故が社会問題になると、当然に関係省庁が動き出していろいろな指導強化や規制強化の話になります。
先般、国土交通省都市局から、日本マンション管理士会連合会を通じて、各県のマンション管理士会に対して「機械式駐車場の適正利用と安全対策の強化に関する呼びかけ」の書面が配布されました。
この呼びかけは、会員のマンション管理士が関与しているマンションにおいて、機械式駐車場の適正な利用方法についての指導を依頼するものです。
消費者庁と国交省の連名による注意喚起文書子供にも分かるポスターも送られてきました。
また、公益社団法人立体駐車場工業会からは、会員である立駐機メーカーに対して、「機械式駐車場の安全強化対策に関する要請」が吉田会長名で8月22日に配布されています。
重松マンション管理士事務所も、取引先の機械式駐車場メーカーから書面を入手しましたので上記のとおりご紹介いたします。
機械式駐車場の業界は、エレベーターとは違って法律で安全や点検等に関する基準が決められているわけではありませんが、前述の工業会がリードして安全基準等を作成しています。
今回の安全強化対策は、従来はチェーンでもOKだった乗込み面をゲート式に変更するというものです。
また、ゲートでの対応が不可能な場合は、光電管方式の侵入検知センサーを設置することになっています。
具体的な安全強化対策を記載した資料も添付されていました。
法律ではなく工業会基準という扱いになりますので、強制力や罰則はありませんが、今後の機械式駐車場の所有者や管理者はこの基準に沿った形で対応を迫られることになります。
検討する場合は金額が高額になることも予想されるので、マンションの場合は資金的なことも問題になってくると思います。