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第11章 競売開始の決定~まだまだ続く「いばらの道」

執行官がマンションへ~

申立が完了して2週間くらいたったある日、いきなり裁判所の執行官がマンションを訪問してきました。
私は、立ち会うことが出来なかったのですが、管理員さんから、執行官が「○○○号室の住戸が競売になりました。」といって、「管理費等に関する回答書」の書類を置いていったと連絡がありました。
マンション管理士会の勉強会などでは、競売が実施された際には管理組合として滞納管理費等回収するために、「配当要求」という上申書を裁判書に出す必要があると教えられましたが、現在では、そのようなややこしい書面を提出しなくても「管理費等に関する回答書」に滞納額、遅延損害金、費用等を明示してFAXするだけで良いとのことでした。管理組合の債権は意外と簡単な方法で連絡できることが確認できました。
また、管理員さんに電話で「執行官は物々しい制服と制帽姿で来ましたか?」と聞いたら「いいえ、背広姿です。その辺のサラリーマンのおじさんと全く変わりませんよ。」…

淡々と進む手続き

それから2週間くらいたってまた背広姿の執行官がマンションにやってきたと管理員さんから連絡がありました。しかも、今度は鍵屋さんと鑑定人が同伴だそうです。
今回は私も立ち会うことが可能だったので、すぐに現場に駆けつけました。
実は朝からプロの鍵屋さんを同行して部屋の中に入ろうとしたのですが、玄関ドアが開かないとのことでした。
本来は、岡本さんに立ち会ってもらい、本人に鍵を開けてもらうのですが、岡本さんは度重なる書面による連絡にも応じず、埒が明かないので裁判所も強硬手段で調査することになったようです。
このマンションで採用している「電子ディンプルキーシステム」は、プロの鍵屋さんも開けられない錠でした。滞納は多くても防犯性能は高いマンションであることが分かり少しだけ嬉しくなりました。
このあと執行官はどうしたと思いますか?
外部から鍵を開けることをあきらめた執行官は、鍵屋さんに指示をして、今度は解放廊下側のアルミ面格子を外して、窓のクレセント付近にドリルで穴を開け始めたのです。
そして、工具を使いクレセントをまわしてようやく窓から中に入ることが出来ました。私も、関係者として執行官の許可を得て中に入りましたが、食器やベッドの状況、それから室内に置かれている各種伝票等で明らかに岡本さんが定期的に帰宅していることは分かりました。
執行官と鑑定人は写真撮影を行ない、内部の調査は20分くらいで終わりました。私は、管理組合の思惑通りに順調に進んでいると思っていました。

またまた必要になった「付郵便」手続き

しかし、更に2週間程度たって裁判所から手紙がきました。内容は、「競売開始決定通知書」が、岡本さんに送達されないので「付郵便」の手続きをとるようにとのことです。
さすがに山田理事長も私も「またかよ…」という感じです。さすがに何回も「付郵便」の手続きをやっていますので、作業は特に時間はかかりませんでしたが、調査報告書と岡本さんの最新の住民票を添付して、裁判書に提出しました。
「もうこれで大丈夫かな・・・?」と思いながら、朗報を待つことになります。…(つづく)