第5章 債務名義はとったけれど… ~いよいよ管理組合としての決断
債務名義はとったけれど…
申立てから3ヶ月以上たって、ようやく管理組合の「法的措置第1弾」が完了しました。
管理組合にも「仮執行宣言付支払督促」の正本(いわゆる「債務名義」)が送達され、いつでも強制執行をすることが可能となりました。
また、申し立てた日に遡り時効が中断します。しかも今度は一般債権として10年間は時効にかかることはありません。
しかし、私も山田理事長もなぜか満足感はありませんでした。
理由は、簡単に考えていた「支払督促」が、相手の抵抗?により、思った以上に時間がかかり、私も山田理事長も結構疲れたこと。
そして、債務名義は勝ち取ったものの、この3ヶ月間で分かったことは岡本氏には差押え可能な財産がないことや勤務先も不明なことなどでした。
とりあえず山田理事長と相談してしばらく様子を見ることにしました。
朗報!区分所有法第59条に関する画期的判決~「やぶれかぶれ」か「一か八か」
岡本氏の滞納はその後も続き一向に改善の兆しはありませんでした。
しかし、ちょうどその頃から、マンション管理関連の新聞や雑誌で区分所有法第59条による競売は「無剰余取消」はなく、抵当権は消滅するという東京高裁の判決が出されたという記事が有名になっていました。
判決を読んでいると、要するに「区分所有法第59条に基づく場合でも、抵当権が設定されている場合は管理組合に配当が回ってくることはないが、もとより競売代金から債権額を回収するものではなく、区分所有者を追い出す為のものである。」というものでした。
そして区分所有者が交代するので区分所有法第8条により次期区分所有者から滞納管理費等を回収することができます。
債務名義を取った後も私と山田理事長は悶々とした毎日が続いていましたが、ようやく元気が出てきました。
そして、「理事長、私達も区分所有法第59条を適用して岡本さんの住戸を競売することに挑戦しませんか?」と申し上げたら、理事長も「ぜひやってみたい!」と意見が一致しました。いよいよ大作戦の始まりです。…(つづく)