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大規模修繕工事と共用部分リフォームローンについて

私のマンション管理士事務所大規模修繕工事のコンサルティングでお世話になったあるマンションでは、「共用部分リフォームローン」の制度を利用し、住宅金融支援機構から大規模修繕工事の資金の一部を借り入れて工事を実施することにしました。
今回は、「共用部分リフォームローン」をご紹介いたします。
マンションの大規模修繕工事を実施する際には、普通は修繕積立金を取り崩してその資金に充てます。
ところが何らかの事情で、修繕積立金が不足している場合もあります。そのようなとき、管理組合としての対応にはいくつかの考え方があります。

  1. 工事を中止する。
  2. 工事を延期してお金がたまるまで待つ。
  3. どこかからお金を借りてきて、資金繰りをたてる。

一番目の「工事を中止する。」は、マンションの適正な維持管理の考え方に反し、大事な資産の価値を低下させてしまう恐れがあります。
二番目の「お金がたまるまで待つ。」は一つの考え方としては有効ですが、待っている間に建物の劣化が進行し、逆に余計な修繕費用がかさんだりすることもあります。
そこで今回は、三番目の「借入」について考えてみたいと思います。
大規模修繕工事のような計画修繕は事前にその内容と金額が概ね把握できているはずなので、それに合わせた資金計画を立て、必要な額の修繕積立金を積み立てているのが普通です。しかし、長期修繕計画がきちんと整備できていない場合や、当然行うべき修繕積立金の改定(値上げ)を怠っていた場合などには、資金不足が発生することがあります。
多くの管理組合を拝見していると、計画的に修繕工事を実施している管理組合の方が少なく、現在ある修繕積立金の範囲内でできる修繕工事を検討している場合が多く見られます。しかし、どうしても修繕を実施しなければならないときは外部からお金を借りて修繕を適正に実施するという手段もあります。
それが「共用部分リフォームローン」です。現在、このローンを積極的に実施している金融機関は、2つあり、1つは住宅金融支援機構、もう1つは三菱電機クレジットです。(ほかに東芝系のクレジット会社もやっているようです。)
2社とも多少の条件の違いなどはありますが内容・手続き等を以下簡単にご紹介します。

  • 借入可能金額は、修繕工事費の80%又は、1住戸当たり150万円のどちらか低い方
  • 毎月の返済額が、毎月積み立てる修繕積立金の80%以内であること
  • 管理規約がマンション標準管理規約に沿って整備されていること
  • 修繕積立金は、管理費と区分されて経理されていること
  • 滞納が一定割合以下であること

等です。借入の申し込みを行うには、総会決議を行い、金融機関が指定する必要な書類を添付する必要があります。この手続きが結構やっかいです。特に住宅金融支援機構の場合は、公的機関ということもあり提出する書類の数が多く、またその記載方法も手間がかかります。しかし、金利は三菱電機クレジットが3%前後であるのに対し1.5%前後ときわめて安く(別途マンション管理センターの保証料がかかります。)人気が高いようです。
なお、借りたお金は当然返済する必要がありますが、最長で10年まで可能です。また、返済の原資は修繕積立金からになりますので、場合によっては修繕積立金の値上げが必要になることもあります。
以下の代表的な書類をご紹介しますが、その他に写真や図面等かなりの添付書類が必要になりますので、事前に住宅金融支援機構に相談して進めるのがよいと思います。

提出書類等

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|融資借入申込書とマンション管理センターに保証をしてもらうための保証委託契約申込書です。
いずれも記載例の書式がありますのでそれを見ながら記入することになります。
必要な事項を記入するお手伝いは重松マンション管理士事務所でも可能ですが、
理事長と会計監事の自署が必要ですし、理事長の場合は実印を押印してもらいます。|こちらは、申込前月における貸借対照表や区分所有状況報告書です。
滞納がある場合は、未収金明細書も必要になります。|
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|申し込み前月末の預金通帳の写しと、返済金額早見表です。
預金通帳のコピーは、該当するページの他に表紙とその裏面のコピーも必要です。
返済は、元利均等方式ですが、元金均等方式での返済も可能です。||