【コラム】シックハウス症候群について
2003年に改正された建築基準法に基づき、シックハウス症候群について記載しました。
新築時だけでなく専有部分をリフォームする場合でも適用になります。
シックハウス症候群について
今年の7月1日に建築基準法が一部改正され「シックハウス症候群」に対する対策が強化されました。
今回はその改正内容について簡単に説明いたします。
1.シックハウス症候群とは
ア)症状
新築、又はリフォーム後に入居したら目や、のどの痛み又はめまいや、吐き気、頭痛などの症状が出る状態をいいます。
イ)原因は?
・詳しい原因はまだ完全には解明されていませんが、建材・家具・日用品などから発散されるホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物が原因の一種といわれています。
・ちなみに揮発性有機化合物はVOC(Volatile Organic Compounds)と称します。
2.では、厚生労働省が濃度指針を定めている13の化学物質とは
・①ホルムアルデヒド②アセトアルデヒド③トルエン④キシレン⑤エチルベンゼン⑥スチレン⑦パラジクロロベンゼン⑧テトラデカン⑨クロルピリホス⑩フェノブカルブ⑪ダイアジノン⑫フタル酸ジ-n-ブチル⑬フタル酸ジ-2-エチルヘキシルがあります。
・聞きなれない物質もありますが、①~⑥までは品確法に基づく住宅性能表示の測定対象になっている物質で、①のホルムアルデヒドと⑨のクロルピリホスが今回の改正建築基準法の対象になっている物質です。
・ホルムムアルデヒドはご存知のように住宅建材(合板、パーチクルボード等)や接着剤、クロルピリホスは白あり駆除剤として使用されています。
3.今回の改正内容について
ア)クロルピリホスについて
・白あり駆除剤として使用されていたクロルピリホスは全面的に使用禁止となりました。
イ)ホルムアルデヒドについて
・内装仕上げに使用する場合の面積制限
・居室内の換気設備設置の義務づけ
・天井裏などの制限
の3つが制定されましたので次に内容を説明します。
4.ホルムアルデヒドに対する規制内容
ア)使用面積制限
ホルムアルデヒドを発散する建材には次のような制限が行われます。
| 建築材料の区分 | ホルムアルデヒドの発散 | JIS、JAS等の表示記号 | 内装仕上げの制限 |
| 建築基準法の 規制対象外 |
少ない 放散速度 5μg/㎡h以下 |
F☆☆☆☆ | 制限なしに使える |
| 第3種ホルムアルデヒド 発散建築材料 |
5μg~20μg | F☆☆☆ | 使用面積が制限される |
| 第2種ホルムアルデヒド 発散建築材料 |
20μg~120μg | F☆☆ | |
| 第1種ホルムアルデヒド 発散建築材料 |
多い 120μg/㎡h以上 | 表示なし又はE2 Fc2 | 使用禁止 |
*μg(マイクログラム)は100万分の1グラムの重さ。1μg/㎡hは建材1㎡につき1時間当たり1μgの化学物質が発散されることをいいます。
*建築物の部分に使用して5年以上経過したものは、制限なし。
*F☆☆☆の呼び方は決まっていませんが、一般的にはエフスリースターや三ツ星などと呼んでいます。
・室内換気回数が0.5回/hの場合はF☆☆☆の内装仕上げ材ならば床面積の2倍まで使用可能。
・クローゼットなどでアンダーカットを設け居室と同等の換気を行う場合は居室とみなされます。
・使用面積は室内の換気回数と建材の等級に関連します。詳しくはマンション管理士・マンションリフォームトレーナー・建築士等にお問い合わせ下さい。
イ)換気設備設置の義務付け
ホルムアルデヒド発散建材を使用しない場合でも家具からの発散があるので、原則として全ての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられます。→24時間換気システムの設置が必要になります。
| 居室の種類 | 換気回数 |
| 住宅等の居室 | 0.5回/h以上 |
| 上記以外の居室 | 0.3回/h以上 |
*住宅以外の居室とは事務所、学校、病院等をいいます。
ウ)天井裏などの制限
天井裏・床下・壁内・収納スペースから居室内へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため下記のいずれかの措置が必要になります。
| ①建材による措置 | 天井裏などに第1種や第2種のホルムアルデヒド発散材料を 使用しない。(F☆☆☆以上とする。) |
| ②気密層・通気止めによる措置 | 気密層、又は通気止めを設けて天井裏などと居室を区画する。 |
| ③換気設備による措置 | 天井裏なども換気できるようにする。 |
*家具や食器等の収納スペースも天井裏とみなされて適用を受けます。
5.最後に
・規制緩和や省エネの時代に逆行するように、厳しい使用制限や24時間換気の義務付けなどが法制化されましたが、それほどシックハウス症候群で悩んでおられる方が多いということだと思います。
・又、今回の改正はマンションのリフォーム等建築確認を必要としない場合でも適用になりますので、実施の際は専門家とご相談されることをお勧めします。